関節軟骨がはがれ落ちて
骨が露出した状態

膝の痛みの原因
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原因 @外傷によるもの:靱帯損傷、半月板損傷など
    A炎症によるもの:関節リウマチ、偽痛風など
    B変形によるもの:変形性膝関節症
    C小児特有のもの:オスグッド病、ペルテス病(股関節の病気ですが、膝を痛がる事が多い)など

今回は日常診療機会の多い変形性膝関節症についてお話しします。

変形性膝関節症

脛骨

大腿骨

半月板

関節軟骨

写真1 膝関節の構造

はじめに
人間の関節も機械と同じく消耗品です。長年無理をされたり体重が増えることにより膝は確実に傷んできます。
膝関節には平地の歩行だけで体重の3〜4倍の力が働きます。すなわち体重が1キロ増えると膝には3〜4キロの負荷が増えるわけです。
左の写真に膝のモデルを示していますが、膝は大腿骨と脛骨そして膝蓋骨(おさら)から成り立っています。関節を作る部分は関節軟骨という光沢をもったすべすべとした部分でおおわれています。この関節軟骨同士の摩擦は氷同士の摩擦の約十分の一しかありません。それだけなめらかに動くようにできているのです。
しかし、変形してくると関節軟骨がささくれ、ついにははがれ落ちて、写真2のように骨が露出した悲惨な状態になります。

症状
初期には歩き始めの「膝の違和感」、進行すると歩行時の膝の痛み・曲げ伸ばしが悪くなり正座が困難になる、さらには膝が炎症を起こし水がたまってくるなどの症状がでてきます。そして、ついには痛くて歩くことができない、膝が外から見ても変形しているという状態に陥ります。

治療
治療の基本は、体重のコントロール、膝周囲の筋力強化およびストレッチです。
病気すべてに言えることですが、症状が軽い時期に上記の治療基本に準じて頂ければ進行を防ぐことが可能です。不幸にも初期の適切な治療機会を逸してしまった方も、まだあきらめるのは早いです。今からでも遅くありませんから、治療の基本を行いましょう。ただし、この場合すでに痛みが強いわけですから、まずは痛みを軽くする治療を行った後、あるいは行いながら治療基本にもどればいいわけです。
末期の変形に陥り、リハビリなどの保存的治療に効果が見られない場合は、外科的治療、すなわち手術が必要となります。

患者様に覚えて頂きたいこと
上記に膝周囲の筋力強化およびストレッチとありますが、ここで間違えて頂きたくないのは、「運動するのであれば歩けばいいんだ」という考えです。確かに歩くことは全身運動にもなるいいことです。しかし、膝の悪い方が、痛みを我慢して歩くということは、傷んだ膝をさらにむち打つことになりかえって逆効果なのです。「運動は痛みの強くならない範囲で行う」これが基本です。それではどういう運動がいいかと申しますと、リハビリ室で指導いたします「膝体操」これが基本ですが、ご自身でさらに積極的に行う場合、プールがおすすめです。水の中にはいると膝にかかる負荷が軽くなります、その状況で水の抵抗に逆らって歩行することにより膝に負担をかけることなく筋力強化が行えます。プールが近くになければ自転車でもいいと思います。ただし、自転車に乗るときはおしりをサドルから浮かさずにこいで下さい。

写真2 変形性膝関節症の膝