腰部椎間板ヘルニア
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僧帽筋

はじめに
よく、「肩こりがします」と患者様が来院されます。しかし、厳密に言うと肩こりとは左の図に描かれている筋肉である僧帽筋の緊張が高まった状態なのです。この僧帽筋とは首から肩甲骨を通り背中を広くおおっている大きな筋肉です。ですから、肩こりと言っても肩とは場所が違います。英語で肩こりは「neck stiffness」と言いますがこれは直訳すると首こりなのです。肩こりという日本語は実は解剖学的には誤った表現なのです。
肩こりの原因
それでは肩こりの原因はなんでしょうか?首の骨(頸椎)に問題が有る場合もありますが、ほとんどは姿勢の問題なのです。
長時間、頭をかがめた状態でデスクワークをしたりすると僧帽筋がずっと突っ張った状態を強いられます。また普段からいわゆる猫背の方も同様に僧帽筋が突っ張ります。
ですから、姿勢を矯正して僧帽筋の負担を軽くしてやる必要があります。
治療
まずは、長時間同じ姿勢を取らなければいけない方は、時々ストレッチをして筋肉をほぐしてやる、また猫背の方は姿勢を矯正する体操(肩上げ、胸張り、壁腕立てなど)を行うようにします。体操の仕方は当院で指導しております。
痛みの強い方には、圧痛点(押して痛いところ)に注射をすることもありますが、根本的な治療は姿勢矯正と日頃のストレッチです。

首の痛み
肩の痛み

はじめに
肩関節は上の図のように肩甲骨の浅い器に球状の上腕骨頭が乗っている関節で、球状の上腕骨頭を腱板と呼ばれる繊細な筋肉や靱帯が肩甲骨の浅い器に引き寄せそれを三角筋などの外側の大きい筋肉が取り囲むという構造をしています。このような構造をしているため、肩関節は360度回転できる人間の関節の中でもっとも動きが大きい部分となっています。これだけ動きが大きいため、人間はボールを投げたり、泳いだりといろんな動作が可能になるのです。
しかし動きが大きい関節であるがゆえ、肩の痛みが出るとスポーツのみならず日常生活に大きな支障をきたします。
肩の痛みをおこす疾患
脱臼、骨折などの外傷・四十(五十)肩・腱板断裂などがあります。
腱板断裂は四十(五十)肩に含まれていることが多いのでここでは四十(五十)肩に話を絞りたいと思います。
四十(五十)肩
正式には肩関節周囲炎といいます。これは外傷・使いすぎ等をきっかけに肩の痛みが出てくる状態で肩を取り囲む、いわゆるすじが炎症を起こしたものです。よく「五十肩は自然になおるから放置しておいても大丈夫!」などと言われますが、私は外来で「数ヶ月前から痛かったけどそのうち治ると思って様子見ていましたがよくならずに来ました」とおっしゃる患者様をみるにつけ「自然経過で良くなる方も確かにいらっしゃいますが、適切な治療をすることにより痛みは軽くなるし、痛みで苦しむ期間が短くなるんですよ」と説明しています
ただし、ここで注意しなければならない事は、腱板という筋肉を傷めていないかどうかです。この筋肉は上の図にあるように上腕骨頭と肩峰という肩甲骨のでっぱった部分との間に挟まれた狭いスペースを通っています。通常は年齢とともに徐々にすれていき、ちょっとした外傷や無理して肩を使ったときに切れて肩を上げるときにひっかかり、炎症や痛みを引き起こします。腱板の傷み具合やひっかかり具合に治療期間は大きく左右されます。
検査
当院では痛みの軽い方や一度の注射で良くなる方以外は必ず超音波で腱板を観察するようにしております(写真1)。超音波検査は身体に負担がかからず外来で手軽にできる上に、実際に肩を動かしながら腱板をリアルタイムに観察できるため、腱板損傷の検査として非常に有用です。さらに患者様の経済的な負担も軽くすみます。
治療
腱板が傷んでいた場合も通常注射やリハビリを行い経過観察しますが、痛み(特に夜間痛)がなかなか改善しない方は、いたずらに保存的治療を引き延ばすのではなく手術により腱板を縫合したり、ひっかかりを取り除くことをお勧めします。
補足
肩の痛みをおこす特殊な状態として、石灰沈着性腱板炎(写真2)があります。
石灰沈着性腱板炎は腱板周囲に石灰がたまり、激烈な痛みを起こす状態です。朝起きたら肩が痛くて動かせない、夜も痛くて眠ることができないと言った症状がでます。この場合は炎症を抑える注射を何度か打つことにより痛みは軽くなります。

肩甲骨

上腕骨頭

鎖骨

靱帯

上腕二頭筋腱

上腕骨頭

腱板

肩峰

肩関節の構造

腱板断裂

正常な腱板

切れて薄くなった腱板

正常な腱板の厚み

上腕骨頭

上腕骨頭

写真1 肩腱板断裂

石灰

写真2 石灰沈着性腱板炎